一国の政治を、企業の経営に例えて考えることが、適切かどうかは自信がないが、19日深夜の参議院本会議の中継を見ていて、中小企業診断士としての自分が感じたことをメモしておこうと思う。

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社長(安倍首相)は、自社を「再び世界の中心で輝く国」にするため、そして「積極的平和主義」の名の下、他国(競合企業)に対する抑止力(競争力)を高めるため、最大手の得意先(米国)との取引関係を強化することを、トップダウンでかなり強硬に決定しました。
このことについて、個人的には次のような疑問と問題点を感じています。

1.目指す姿が明確になっていない・社員(国民)と共有できていない

 わが社長は、「再び世界の中心で輝く国」をビジョンとして示していますが、何を強みにどう輝くのか、目指す方向がイマイチ明確ではありません。わざと曖昧にしているのかも知れませんが。経済、軍事力、文化、スポーツ、国際貢献…輝き方は多様ですが、いずれにしてもトップがビジョンを明確にし、社員(国民)が理解し共有する必要があります。これは、一番大事なことです。
 (経済力の復活、軍事力・抑止力の強化以外に、ビジョンがハッキリしていないように感じられます。具体策から類推すると、経済大国、軍事大国を目指すのかと社員は思ってしまいます。)

 ※ちょっと脱線しますが、2020年オリンピックに関して起きている種々の問題も、目指す姿が明確になっていないことが原因なのではと思います。

2.外部環境の分析が一面的
 近隣国の脅威に気をとられるあまり、国際情勢をもっと大きな(地理的・歴史的)視点で俯瞰して自国の立ち位置を捉えることが十分ではないように感じます。最大手取引先との関係を強化することや、近隣の競合に負けないことが中心になりすぎていますが、もっと大きな視野で、大手取引先を分析したり、地球規模の市場ニーズを分析したりということが必要な気がします。変化のスピードの認識も不足かも。

 ※これまた脱線ですが、女性の活躍推進が諸外国に比べて遅れているのも同様の原因かと思います。

3.自社の強みの認識
 自社の最大の強み(平和憲法)についての認識が十分ではないように思います。実は、この強みは自社固有のものではないのだと言いたげですが、外部から見ると脅威にも感じられる自社の強みに(当たり前過ぎて)社内では意外と気づいていないことが多いものです。また、人材(国民)についても、外部評価の方が高いかも知れません。

4.戦略のもたらす影響
 このような状況で戦略(今回の法案)を策定する企業は、通常、決していい企業、成長が期待できる企業とはいい難いと感じます。いったいどんな影響をもたらすでしょうか。

 ー勸のモチベーションが上がらない(維持できない)
    多くの世論調査(社員アンケート)に現れています。もちろん、社長派の社員も居るわけですが、社長の方針に疑問をもっている社員が相当数います。社員満足のない会社が伸びないのと同様、結果として、社員の力が十分発揮できず、本来の強み(人材)さえ失いかねません。
  
 ⊆莪先、競合企業など外部からの厳しい評価
    何でも言うことをきく「便利な下請け先のような存在」として一定評価されるが、自らの意思で顧客開拓する力が育たず、アジア諸国のリーダーとして、さらには世界の中心で輝く国として評価されることは難しいと思います。
    何より、意思決定の方法や、戦略の方向性において、経営理念(憲法)を守ることに忠実でない国(企業)の企業体質について、社会の評価は厳しくなると思います。


5.社員として取り組むべきこと

  そうは言っても、簡単にこの会社を辞める訳にはいかないのが大半の社員の宿命です。
  しかし、今回の件が、国会(幹部会議?)の惨状も含めて、これまで自社のビジョンや戦略に無関心だった社員層が、考えるきっかけになったのであれば、これは大きな収穫です。
  単に、「給料上げろ」的な要求ばかりではなく、取引先、競合相手の変化を自らもしっかり見つめながら、自社のビジョンを仲間と語り考え、どんな会社を目指すのか、どんな会社でありたいのか、トップダウンの戦略に時にNOが言える(社員は株主でもあるので)よう、ボトムアップの社内活動を継続することが、自分自身の為すべきことだと再認識しました。