日経ビジネス3/9号の特集記事を興味深く読んだ。

ここでは、少子化問題の議論によく使われる「合計特殊出生率」(ひとりの女性が生涯に出産する子どもの数の平均値)に代わって、「企業子宝率」(従業員が企業に在籍中に持つことが見込まれる子どもの数)で、企業の働きやすさ、子育てとの両立のしやすさを論じている。子宝率の算出は、女性だけでなく男性従業員も対象になることから、少子化の問題を男女合わせて社会全体で見ようという意味合いもある。

ちょっと荒っぽくポイントをあげると、
・企業の規模が大きいほど子宝率が低くなっている
・育休などの制度が整っているとされるWLB先進企業ても(大企業に多いが)子宝率は上がらない
・東京本社の企業よりも、地方にある企業の方が子宝率が高い
・業種別では、「医療・福祉・介護」業界と「建設業」で他の業種より子宝率が高い


考察としては、
・長時間勤務で通勤時間も長く、家事や子育てにほとんど関わらない男性の働き方がベースとなっている企業では、いくら育休などの制度を整備しても、従業員は子どもを産み育てにくいということ。

・職住の距離が近く、助けてくれる家族・知人が近隣にいる環境で、夫が早く帰れて夕食をともにできる環境、女性が働き続ける必要があり実情に応じて柔軟に対応できる環境の方が子育てしやすいこと。

が挙げられている。

そして、戦後高度成長期に構築された日本的働き方という今や「負の遺産」から脱却しないと、制度整備だけでは今後も改善は望めないだろうと結論づけられている。

私が、様々な仕事を通じて出会う企業やそこで働く従業員の方々の実態とも感覚的にはかなり一致する。

「育児に非協力的な家庭は第2子を作らなくなる」とも言われている。
非協力的というのは、意思の問題もあるが、現実的時間的に不可能という意味もある。


確かに「亭主元気で留守がいい」と女性から言われてきたことも事実だが、その女性自身も仕事を持つ身となれば、状況は変わるだろう。

奇しくも、今日の日経新聞の一面には、短時間勤務(かつ正社員)で人材を確保しないと回らなくなっている企業の状況が報じられている。


自分の経験で言っても、仕事は面白いしやりがいもある。収入も得られる。しかし、子育ても、多くの感動と喜びと幸せと生きがいを人生に与えてくれる。片方のために、もう一方をあきらめたり犠牲にするのは、女性だけでなく男性もあまりにももったいない。

企業の経営者は、どうか子宝率が高くなる会社を目指していただきたいと、いや、私も自分の仕事として経営者の方と一緒に考えたいと、切に思う。